フルハーネスは何メートルから必要か|6.75mと5mの2つの数字の意味
30秒でわかる要点
- 墜落制止用器具はフルハーネス型が原則。胴ベルト型は例外という位置づけ。
- 6.75mは「いかなる場合にも守らなければならない最低基準」。超えたらフルハーネス型。
- 5mは建設作業の一般的な使用条件を当てはめたときの目安高さ。実務ではこちらが効く。
- フルハーネス型でも、地面に到達するおそれがある低い高さでは胴ベルト型が認められる。
- 使用可能質量は85kgまたは100kg。体重と腰道具の合計で判断する。
墜落制止用器具はフルハーネス型が原則で、6.75mを超える高さでは胴ベルト型を使えず、建設作業の一般的な条件では5m以下が胴ベルト型の目安高さになります。
フルハーネスが原則で、胴ベルトが例外という順序になっている
厚生労働省の「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」は、墜落制止用器具はフルハーネス型を原則とすると定めています。胴ベルト型は、フルハーネス型を着用した人が墜落時に地面に到達するおそれのある場合に認められる、という書き方です。
順序が逆になっていない点が重要です。高いからフルハーネス、ではなく、フルハーネスが基本で、低すぎて地面に届いてしまう場合だけ胴ベルト、という構造になっています。
この考え方があるため、高さの基準は「フルハーネス型を使ったと仮定したときに、どこまで落ちるか」から逆算して決められています。
※参考:厚生労働省|墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン(平成30年6月22日付け基発0622第2号)(2026-08-22参照)
6.75mは、超えたらフルハーネスという最低基準の高さ
6.75mという数字は、足し算で出ています。ショックアブソーバの自由落下距離の最大値4メートル、ショックアブソーバの伸びの最大値1.75メートル、そこに1メートルを加えた合計です。
ガイドラインはこれを「いかなる場合にも守らなければならない最低基準」と書いており、6.75メートルを超える箇所で作業する場合はフルハーネス型を使用しなければならないとしています。
つまり6.75mは、どんな条件でも譲れない線です。この高さより上で胴ベルト型を使う選択肢はありません。
| 要素 | 値 |
|---|---|
| ショックアブソーバの自由落下距離の最大値 | 4メートル |
| ショックアブソーバの伸びの最大値 | 1.75メートル |
| 加える余裕 | 1メートル |
| 合計 | 6.75メートル |
※参考:厚生労働省|墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン(第4 1(3))(2026-08-22参照)
建設作業で実際に効く高さの目安は5m
6.75mは最大値を並べた最低基準なので、実際の作業条件を当てはめるともっと低い数字になります。ガイドラインは建設作業等における一般的な使用条件を示したうえで、目安高さは5メートル以下とすべきであるとしています。
前提として置かれている条件は、ランヤードのフック等の取付高さ0.85メートル、ランヤードとフルハーネスを結合する環の高さ1.45メートル、ランヤード長さ1.7メートル(このとき自由落下距離は2.3メートル)、第一種ショックアブソーバの伸びの最大値1.2メートル、フルハーネス等の伸び1メートル程度です。
これより高い箇所で作業を行う場合はフルハーネス型を使用すること、と明記されています。現場で判断に使うのは、6.75mではなくこの5mのほうです。
※参考:厚生労働省|墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン(第4 2(4))(2026-08-22参照)
ランヤードの選定は、足下に掛けるかどうかで変わる
ショックアブソーバには2種類あります。第一種は自由落下距離1.8メートルで墜落を制止したときの衝撃荷重が4.0キロニュートン以下のもの、第二種は自由落下距離4.0メートルで衝撃荷重が6.0キロニュートン以下のものです。
選び分けの基準は高さではなく、フックをどこに掛けるかです。腰の高さ以上にフックを掛けて作業できる場合は第一種を選定します。鉄骨組み立て作業等で足下にフックを掛ける必要がある場合は、フルハーネス型を選定したうえで第二種を選定します。両方が混在する場合も第二種です。
あわせて、移動時の掛け替え時の墜落を防ぐため、2つのフックを相互に使用する二丁掛けが望ましいとされています。フルハーネス型で二丁掛けを行う場合は、2本とも墜落制止用のランヤードを使用します。ロック機能付き巻取り式ランヤードは落下距離が短くなるため、作業箇所の高さが比較的低い場合に推奨されています。
なお、伐採などフックを掛ける場所がなく、墜落制止用器具を使用することが著しく困難な場合については、ガイドラインは保護帽の着用等の代替措置を行う必要があるとしています。器具が使えないから何もしない、という扱いにはなっていません。
| 種別 | 性能 | 選ぶ場面 |
|---|---|---|
| 第一種 | 自由落下距離1.8mで衝撃荷重4.0kN以下 | 腰の高さ以上にフックを掛けて作業できる場合 |
| 第二種 | 自由落下距離4.0mで衝撃荷重6.0kN以下 | 足下にフックを掛ける必要がある場合、両方が混在する場合 |
※参考:厚生労働省|墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン(第3 1(7)、第4 2)(2026-08-22参照)
墜落制止用器具の使用可能質量は、腰道具を足して判断する
墜落制止用器具には使用可能な最大質量が定められており、特注品を除くと85kgまたは100kgです。ガイドラインは、器具を使用する者の体重と装備品の合計の質量がこの値を超えないように選定することとしています。
見落としやすいのが装備品です。腰袋、電動工具、水筒を提げた状態の重さが加算されます。体重が85kgに収まっていても、装備を足すと超える場合があります。
本サイトのハーネスのページでは、この使用可能質量を採点項目のひとつに入れています。ただし本体重量は、Amazonの商品ページでほとんど公表されていないため採点項目から外し、かわりに商品名に必ず記載されるランヤードの形式を採点しています。
※参考:厚生労働省|墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン(第4 2(3))(2026-08-22参照)
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本文で扱った条件を満たす製品です。順位の根拠は各カテゴリのページに、 配点は採点方法に公開しています。
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よくあるご質問
フルハーネスは何メートルから必要ですか?
6.75メートルを超える箇所ではフルハーネス型を使用しなければなりません。ただし建設作業の一般的な条件では目安高さが5メートル以下とされており、実務ではこちらが基準になります。
胴ベルト型はどんなときに使えますか?
フルハーネス型を着用した人が墜落時に地面に到達するおそれのある場合です。墜落制止用器具はフルハーネス型が原則で、胴ベルト型は例外という位置づけになっています。
6.75mという高さはどう計算されていますか?
ショックアブソーバの自由落下距離の最大値4メートル、伸びの最大値1.75メートル、これに1メートルを加えた合計です。いかなる場合にも守らなければならない最低基準とされています。
ランヤードの第一種と第二種はどう選び分けますか?
フックを掛ける位置で決まります。腰の高さ以上に掛けられる場合は第一種、鉄骨組み立て作業等で足下に掛ける必要がある場合や両方が混在する場合は第二種です。
フルハーネスの使用可能質量はどこまで含めて考えますか?
着用者の体重と装備品の合計です。腰袋や電動工具を提げた状態の重さが加算されるため、85kgまたは100kgという上限は装備込みで判断します。
巻取り式ランヤードはどんな場合に向いていますか?
通常のランヤードと比較して落下距離が短いため、主に作業を行う箇所の高さが比較的低い場合に推奨されています。ロック機能付きのものが該当します。
参考文献
- 厚生労働省|墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン(平成30年6月22日付け基発0622第2号)
- 厚生労働省|墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン(第4 1(3))
- 厚生労働省|墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン(第4 2(4))
- 厚生労働省|墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン(第3 1(7)、第4 2)
- 厚生労働省|墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン(第4 2(3))
最終更新:2026-08-22