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ヘルメット(保護帽)の耐用年数と交換時期|起点は製造年月日ではない

30秒でわかる要点

ヘルメット(保護帽)の交換時期に法的な規定はなく、日本ヘルメット工業会は使用開始から熱可塑性樹脂製は3年以内、熱硬化性樹脂製は5年以内、着装体は1年以内の交換を推奨しています。

ヘルメットの交換時期に法律の定めはない

「ヘルメット 交換時期 法律」で調べる人が多いテーマですが、答えははっきりしています。一般社団法人日本ヘルメット工業会は、産業用ヘルメットの耐用年数について「法的な規定はありません」と明記しています。

同工業会の説明は続けてこうなっています。「そのため(一社)日本ヘルメット工業会では使用年月からの保護帽交換目安をお願いしています。また、各メーカーより「保護帽取扱いマニュアル」を配布し、使用する前の事前点検(チェックポイント等)の実施をお願いしています」。3年・5年という数字は、法令ではなく業界団体の推奨です。

法令が定めているのは別のことです。労働安全衛生法第42条に基づく「保護帽の規格」(昭和50年労働省告示第66号)は、帽体の性能や構造の要件を定めていますが、何年で交換するかという条文はありません。フルハーネスの耐用年数と同じ構図です。

本サイトが掲載している保護帽7製品でも、使用期限の記載を確認できたものは0件でした。メーカーが製品ページに書いていないのは、そもそも製品ごとに決まる数字ではないためです。

※参考:一般社団法人日本ヘルメット工業会|よくある質問(産業用ヘルメットの耐用年数は、製造年月又は使用年月のいずれですか。法的に規定しているのですか?)(2026-08-23参照)

保護帽の耐用年数は使用開始から数える|熱可塑性3年・熱硬化性5年

日本ヘルメット工業会の推奨は、材質で分かれます。「PC、ABS、PE等の熱可塑性樹脂製は、外観に異常が認められなくても使用開始より3年以内、FRP等の熱硬化性樹脂製は、外観に異常が認められなくても使用開始より5年以内に交換をしていただくようお願いしています」。

「外観に異常が認められなくても」という条件が2回とも入っている点が要点です。見た目がきれいでも、樹脂は紫外線と熱で劣化します。割れていないから使えるという判断は、この推奨とは合いません。

起点は使用開始です。製造年月日ではありません。工業会は耐用年数の起点を問う質問に対して、使用年月からの交換目安を出していると回答しています。倉庫に2年眠っていた新品を今日おろした場合、そこから3年が目安になります。

本サイトが掲載している保護帽で材質を確認できたのは5製品で、すべて熱可塑性樹脂でした。ミドリ安全 SC11BV RA・SC-31 B V RA2とDICプラスチック 軽神 AA17-Vと トーヨーセフティー ヴェンティーネオ No.393FがABS、谷沢製作所 エアライトS ST#1230-JZVがPC(ポリカーボネート)です。いずれも3年側になります。

保護帽の交換の目安(日本ヘルメット工業会の推奨) 熱硬化性樹脂製(FRP等)の帽体は5年、熱可塑性樹脂製(ABS・PC・PE等)の帽体は3年、着装体・あごひもは1年 熱硬化性樹脂製(FRP等)の帽体 5年 熱可塑性樹脂製(ABS・PC・PE等)の帽体 3年 着装体・あごひも 1年
保護帽の交換の目安(日本ヘルメット工業会の推奨)
本サイト掲載の保護帽の材質と、目安になる年数
製品メーカー帽体の材質目安
ヘルメット SC11BV RA ミドリ安全ABS(熱可塑性)使用開始より3年以内
ヘルメット SC-31 B V RA2 ミドリ安全ABS(熱可塑性)使用開始より3年以内
軽神/KEIJIN AA17-V DICプラスチックABS樹脂(熱可塑性)使用開始より3年以内
ヴェンティーネオ No.393F トーヨーセフティーABS/ひさしはポリカーボネート使用開始より3年以内
保護帽 ST#1230-JZV エアライトS 谷沢製作所PC(ポリカーボネート・熱可塑性)使用開始より3年以内
保護帽 ST#1830-JZII 飛翔special 谷沢製作所記載を確認できず材質の確認が必要

※参考:ミドリ安全|FAQ ヘルメット(帽体)の使用期限(耐用年数)(出典:日本ヘルメット工業会「保護帽の取扱いマニュアル」)(2026-08-23参照)

ヘルメットのシールに書かれているもの|製造年月の表示は法令の義務

保護帽の内側や外側には、いくつかのラベルが貼られています。このうち製造者名と製造年月の表示は、法令で義務づけられています。よく「製造年月日」と呼ばれますが、告示が求めているのは年と月までで、日は含まれていません。

「保護帽の規格」第9条(表示)は次のとおりです。「保護帽は、見やすい箇所に次の事項が表示されているものでなければならない。一 製造者名 二 製造年月 三 物体の飛来若しくは落下による危険を防止するためのものである旨又は墜落による危険を防止するためのものである旨」。

3号の記載が用途の区分です。飛来・落下物用なのか、墜落時保護用なのか、あるいは両方なのかがラベルに書かれています。足場や高所で使うなら墜落時保護用の表示が必要で、飛来・落下物用だけの保護帽では要件を満たしません。

ここで混同しやすいのが、シールの製造年月と交換の起点です。ラベルにあるのは製造年月ですが、工業会の交換目安は使用開始からの年数です。製造年月から3年ではありません。日本ヘルメット工業会は「最近の「警告・注意」ラベルに使用年月が記入できるようになっています」としており、使用を始めた日は自分で書き込む運用になっています。

※参考:厚生労働省 法令等データベース|保護帽の規格(昭和50年9月8日 労働省告示第66号)第9条 表示(2026-08-23参照)

ヘルメットの着装体とあごひもは1年で交換|帽体より先に寿命が来る

帽体の3年より先に来るのが、着装体とあごひもの1年です。日本ヘルメット工業会はこの1年という数字の根拠も説明しています。

「あごひも、着装体(ハンモック、汗止め)等は合成繊維製がほとんどで、使用することにより縫目がほどけたり、やぶれたり、また材料が劣化します。また、頭髪油、汗、汚れ等が落ちにくく匂い等で衛生上芳しくありません。このような使用状況を踏まえて1年以内の交換を推奨しています」。

着装体は交換部品として売られています。ミドリ安全 SC11BV RAには「FP-2Q RA用内装一式」、谷沢製作所 エアライトS ST#1230-JZVには「内装エアライトS(ヘッドバンド:EPA型/ハンモック:J型)」といった型番が付いており、帽体を替えずに内装だけを買い替えられます。

帽体3年・内装1年という比率は、3年のあいだに内装を2回交換する計算になります。保護帽の年間費用を見積もるときは、帽体の値段だけでなく内装の型番と価格も確認してください。

保護帽の部位別の交換目安(日本ヘルメット工業会の推奨)
部位交換の目安理由
帽体(熱可塑性樹脂・ABS/PC/PE等) 使用開始より3年以内外観に異常が認められなくても
帽体(熱硬化性樹脂・FRP等) 使用開始より5年以内外観に異常が認められなくても
着装体(ハンモック・汗止め) 1年以内合成繊維の劣化、縫目のほどけ、やぶれ、衛生面
あごひも 1年以内同上

※参考:一般社団法人日本ヘルメット工業会|よくある質問(あごひも、着装体の交換を1年とした根拠)(2026-08-23参照)

年数より先に保護帽を交換する条件|一度でも大きな衝撃を受けたもの

年数が残っていても交換になる条件があります。日本ヘルメット工業会の「保護帽の取扱いマニュアル」は「一度でも大きな衝撃を受けたら、外観に異常がなくても使用しない」としています。

理由は構造にあります。保護帽は衝撃を吸収する過程で帽体とライナーが変形し、そのぶんのエネルギーを受け止めます。一度その働きをした部材は、次の衝撃に対して同じ性能を出しません。フルハーネスのショックアブソーバが一度伸びたら交換になるのと同じ考え方です。

外から見て分からないのが問題です。本サイトが掲載している保護帽には、ミドリ安全 SC-31 B V RA2の「ハンモックレス構造+KP(発泡衝撃吸収ライナー)」、DICプラスチック 軽神 AA17-Vの「インモールドシェル一体型ライナー」のように、内部に衝撃吸収ライナーを持つ製品があります。ライナーの潰れは帽体の外側からは見えません。

落とした、上から物が当たった、車に轢かれたといった心当たりがあれば、年数に関係なく交換してください。改造したものも同様です。工業会は「一度でも衝撃を受けたものや、改造されたものは、外観に異常が無くても性能が低下していますので交換してください」としています。

※参考:一般社団法人日本ヘルメット工業会|保護帽を防災用ヘルメットとしてご使用のお客様へ(一度でも衝撃を受けたもの・改造されたもの)(2026-08-23参照)

工事用ヘルメットを買い替えるときに見る項目

交換の時期が来たら、同じものを買い直す前に確認したい点があります。まず用途の区分です。飛来・落下物用だけの保護帽と、墜落時保護用を兼ねる保護帽は別物で、ラベルの表示で区別できます。足場や高所の作業がある現場では、墜落時保護用の表示があるものが必要です。

次に内装の入手性です。着装体は1年で交換する部品なので、型番が明示されていて単体で買える製品のほうが、長い目で見て扱いやすくなります。

通気孔の有無も分かれ目です。通気孔付きは夏場に楽になりますが、電気用の検定は通気孔なしタイプに限られることがあります。ミドリ安全 SC-31 B V RA2は電気用非対応で、電気用の検定はベンチレーションなしタイプのみと記載されています。電気工事がある現場では、通気孔を取るか電気用を取るかの選択になります。

本サイトのヘルメットのページでは、規格の区分・重量・通気孔の有無を採点項目にして、用途別に順位を出しています。使用期限は製品ごとに決まる数字ではないため、採点には入れていません。

※参考:現場装備|作業用ヘルメット(保護帽)の選び方とランキング(2026-08参照)

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本文で扱った条件を満たす製品です。順位の根拠は各カテゴリのページに、 配点は採点方法に公開しています。

殿堂入り
ヘルメット

ミドリ安全 ヘルメット SC11BV RA KP付

両区分に対応して400g・通気孔付き。高所を含む現場で1つ選ぶならここ。

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マストバイ
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ミドリ安全 ヘルメット SC-31 B V RA2 KP付

両区分に対応して約265g。掲載品で最も軽く、価格帯も最も低い。

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よくあるご質問

ヘルメットの交換時期は法律で決まっていますか?

決まっていません。一般社団法人日本ヘルメット工業会は産業用ヘルメットの耐用年数について「法的な規定はありません」と明記しています。3年・5年という数字は業界団体の推奨です。

保護帽・ヘルメットの耐用年数は何年ですか?(ミドリ安全・谷沢製作所など)

日本ヘルメット工業会は、PC・ABS・PE等の熱可塑性樹脂製は使用開始より3年以内、FRP等の熱硬化性樹脂製は使用開始より5年以内の交換を推奨しています。いずれも「外観に異常が認められなくても」という条件が付いています。

ヘルメットの交換時期はシールの製造年月日から数えるのですか?

製造年月日からではありません。日本ヘルメット工業会の交換目安は使用開始からの年数です。最近の「警告・注意」ラベルには使用年月を記入できる欄があるため、新品をおろすときに日付を書き込んでおく運用になります。

工事用ヘルメットのシールには何が書かれていますか?

「保護帽の規格」第9条により、製造者名、製造年月、そして飛来・落下物用か墜落時保護用かの用途の区分を、見やすい箇所に表示することが義務づけられています。「製造年月日」と呼ばれることがありますが、告示が求めているのは年と月までです。

ヘルメットの着装体はいつ交換すればいいですか?

1年以内が推奨です。日本ヘルメット工業会は、あごひもや着装体が合成繊維製で縫目のほどけ・やぶれ・材料の劣化が起きること、頭髪油や汗の汚れが落ちにくく衛生面で好ましくないことを理由に挙げています。

一度落としたヘルメットは使えますか?

大きな衝撃を受けたものは使えません。日本ヘルメット工業会は「一度でも大きな衝撃を受けたら、外観に異常がなくても使用しない」としています。衝撃吸収ライナーの潰れは帽体の外側からは見えないため、心当たりがあれば年数に関係なく交換してください。

現場のヘルメットは何年で買い替える計算になりますか?

帽体が熱可塑性樹脂なら3年、着装体は1年です。3年のあいだに内装を2回交換する計算になるため、費用を見積もるときは帽体の価格だけでなく交換用内装の型番と価格も確認してください。

REF

参考文献

最終更新:2026-09-23